Step02準備調査票を作成してサーベイの
準備をしましょう

調査票を設計する

知っておきたい調査票作成のセオリー

質問は7つのステップで考える

以下の順番で質問を作成してみましょう。
質問票を設計していて「ハードルが高い」と感じるときは、SmartHRで準備している「すぐに使えるサーベイ」を活用するのもおすすめです。

やること
1 知りたいこと、得たい情報、サーベイ実施後の想定アクションを明確にする 新入社員研修をスムーズに実施できているか知るために、研修後の満足度や改善点を確認して、次回の研修内容を見直したい
2 対象従業員を明確にする 毎月、当月入社の社員に対してサーベイを実施して、月ごとの傾向を把握したい
3 検証したい仮説を洗い出す 「毎月の入社者が増加傾向にあるため、研修中の疑問点を十分に解消できていないのではないか」
「座学中心の研修内容は、実務に即していないのではないか」
4 質問文を考える
Q1. 研修の内容はあなたの業務内容に合っていましたか?
Q2. 改善点があれば教えてください
5 設問タイプと選択肢を考える
Q1. 単一選択(はい/いいえ)
Q2. 自由記述
6 回答を必須とするかどうか決める
Q1. 必須入力
Q2. 任意入力
7 回答を匿名で扱うかどうか決める あとで個別にヒアリングする可能性があり、個人名を確認したいため、匿名で扱わない

具体例で学ぶ調査票の見直しポイント

従業員が回答しやすく、かつ結果を分析しやすいように、以下のポイントを意識しましょう。

ポイント質問に重複や抜け漏れはありませんか?

選択肢は「MECE(ミーシー)= 漏れなく、ダブりなく」設計されていることが大切です。複数の質問で同じことを聞いていないか、漏れている質問がないか確認しましょう。適切な選択肢がないせいで回答できなかったり、同じ意味にとれる選択肢が複数あることで回答が割れたりしないようにしましょう。

悪い例
質問「研修で配布した資料を実務で使っていますか?」
選択肢「1. 使っている」「2. 実務で役立てている」「3. 実務には使えていない」
良い例
選択肢「1. 使っている」「2. 使っていない」

悪い例では選択肢1と2が重複しているため、漏れやダブりがないように修正しましょう。

ポイント質問文は誰が読んでも同じ意味に解釈できますか?

曖昧な表現をすると、人によって解釈がぶれてしまいます。誤解がないように、具体的な表現を意識しましょう。

悪い例
「担当者の説明はどうでしたか?」
良い例
「午前の研修の担当者(山田)の説明は分かりやすかったですか?」

担当者が誰を指すか、「どう」が何を指すか不明確なので、具体的な表現に変更しましょう。

ポイント質問文は特定の回答を誘導していませんか?

率直な回答が得られるように、回答者に先入観を持たせたり、特定の回答を誘導したりしないように注意しましょう。

悪い例
「リモートワークの導入により、対面でのコミュニケーションが取りづらくなっていますが、同僚とのコミュニケーションは問題ないと感じますか?」
良い例
「同僚とのコミュニケーションは問題ないと感じますか?」

悪い例では「コミュニケーションが取りづらい」という主観が入っています。余計な前提は省いて、単刀直入に質問しましょう。

ポイント1つの質問で2つのことを聞いていませんか?

「AやBについてどう思いますか?」などと複数のことを同時に聞かないようにしましょう。「Aは良いがBは良くない」などの回答もあり得るため、AとBについて別々に質問しましょう。

悪い例
「上司や人事部のサポートは十分だと感じますか?」
良い例
「上司のサポートは十分だと感じますか?」「人事部のサポートは十分だと感じますか?」

上司と人事部について同時に質問せず、質問を2つに分割しましょう。

ポイント回答者が専門用語だと感じる言葉を使っていませんか?

質問者にとっては馴染みのある言葉でも、回答者には難しい専門用語に感じられるかもしれません。

悪い例
「新機能のユーザビリティについて教えてください」
良い例
「新機能の使いやすさについて教えてください」

『ユーザビリティ』は職種や業種によっては馴染みのある言葉ですが、誰にでも通じる言葉ではありません。より一般的な言葉に変更しましょう。

ポイント回答は集計・分析しやすいですか?

回答結果を分析する際、できるだけ手動で後処理をしなくていいように工夫しましょう。

悪い例
5段階評価で、ある質問では「5:非常に悪い」〜「1:非常に良い」、別の質問では「5:非常に良い」〜「1:非常に悪い」とスコアの付け方が逆転している。
良い例
5〜1が「非常に良い〜非常に悪い」または「非常に悪い〜非常に良い」を指すように統一する。

質問文をきちんと読ませるために意図的に順番を変える場合もありますが、良い例のように統一することで、 集計してスコアが高ければ良い結果、低ければ悪い結果だと判断しやすくなります。

ポイント結果から次のアクションにつなげられそうですか?

回答結果を分析した後、問題を特定して、具体的なアクションにつなげられるかどうか確認しましょう。

悪い例
選択式の設問だけを使用し、回答を匿名で取り扱った。
良い例
自由記述の設問を追加し、回答者名を取得することにした。

悪い例では、「誰が」「何の」問題を抱えているのかを特定できず、解決策を検討できません。従業員のコメントを取得すると、課題を特定しやすくなります。
また、問題を抱えている従業員を特定することで、個別にヒアリングすることもできます。

関係者に共有してレビューを受ける

サーベイの精度を上げるレビューのポイント

レビューの5つの観点

「レビューをもらいたいポイント」を添えて、レビューを依頼しましょう。
例えば、以下のような観点が考えられます。

  • 文章に誤字脱字や不自然な点がないか
  • 回答者から見て分かりづらい、または答えづらい質問はないか
  • 「匿名で扱うかどうか」「必須質問かどうか」の判断は問題ないか
  • 質問のボリュームは適切か
  • 余分な質問や、不足している質問はないか

「従業員サーベイ」で直接共有する方法も

レビュー担当者にMicrosoft Excelなどで作成した原稿を送付したり、従業員サーベイの画面を直接共有したりして、コメントをもらいましょう。

従業員サーベイの画面を共有するには、レビュー担当者に「共同管理者」という権限を付与する必要があります。詳しくは作成したサーベイや分析を他のアカウントに共有する(共同管理者の設定)|ヘルプセンターを参照してください。

依頼文の例

実施までのタスクとスケジュールを整理する

そのまま使えるタスクリスト

担当者と期日を割り振りましょう

以下の表に沿って、いつまでに何をするか整理しておくと良いでしょう。

タスクリストの画像。担当者、所要時間、期日の列がある。行は順番に、サーベイを完成させる、対象従業員に事前周知する、サーベイを送信し回答を依頼する、締め切り前に回答状況を確認し未回答者にリマインドする、回答を締め切る、関係者間で回答結果を分析する、社内に結果を共有する。

依頼と締め切りのタイミングは?

回答者への負担を軽減し、回答率を上げるために、社内で大型のイベント(例:新入社員の受け入れ、人事評価)がある時期は避けて実施しましょう。

大型イベントを避けられない場合や、質問のボリュームが多い場合は、受け付け期間を長めに設けるなど、締め切りまでの日数を調整しましょう。